2024年9月10日開催 DX人財育成分科会イベント
【DX人財育成についての各社の課題や悩みを共有する】
分科会活動について
DX人財育成分科会はCIO LoungeのDX関連テーマの3つの分科会である、「企業DX分科会」「現場主体DX分科会」と同時に活動を開始しました。
DX人財育成分科会は3つのDX関連分科会の中でも一番カバー範囲が広く、デジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションの全てを包含した取り組みとなります。また、全社DX人財とIT部門DX人財育成、更に経営陣に対する教育も包含しています。更に人財教育だけでは成果が望めませんので、企業風土改革や人事評価制度、人事ローテーション等の非常に幅広い領域での議論をしてきました。
当分科会は2023年2月のキックオフミーティングをスタートとして、アドバイザーも含めた正会員6名で活動を開始、途中で正会員1名が加入し、今年の9月で第18回を迎えました。
分科会活動とは別に、2023年9月26日にグランフロント大阪で第1回ワークショップを関西電力の上田様に基調講演をしていただき、2024年3月6日には東洋紡の矢吹様に基調講演をしていただき実施しました。いずれのワークショップにも多くのユーザー企業とサポート会員企業に参加いただき、有意義なワークショップとなりました。
過去2回のワークショップと分科会活動を経て、9月10日に3回目のワークショップを東京で開催することが出来ましたので、具体的な内容についてご紹介します。
ワークショップ開催のねらい
第1回ワークショップでは、関西電力の上田様から全社DX人財育成の取り組みを基調講演で詳しくご紹介いただき、第2回ワークショップでは、東洋紡の矢吹様からIT部門のDX人財育成の非常に詳細かつ精緻な取り組みを基調講演でご紹介いただきました。
そこで第3回ワークショップでは原点に戻ってオムロンの河村様から経営陣も含めた全社的なDX人財育成の取り組みについてご紹介いただくことになりました。
ユーザー企業参加者とサポート会員参加者の方々には以下のような内容を本ワークショップでお持ち帰りいただければと考え実施しました。
ユーザー企業参加者:各社が抱える課題や悩み事を共有し、他社の成功事例や失敗事例を知ることで明日からのDX人財育成の参考にしていただく。また、サポート会員参加者からのサービス内容等の情報も参考にしていただく。
サポート会員参加者:様々な業界のユーザー企業の人財育成に関する共通の課題や悩み、逆に業界によって異なる課題や悩みを知っていただくことで、今後のサービス等の開発の参考にしていただく。
そのため、各社から事前のアンケートも頂戴して幅広く多くの課題を提示いただきました。
その全てを紹介することは出来ませんが、各社の主たる課題を纏めると以下の表になりました。
基調講演(オムロン:河村様)
グループディスカッションに先だって、オムロン(株) グローバルビジネスプロセス&IT革新本部 ITプラットフォーム革新センタ長の河村様から「オムロンにおけるDX人財育成の取組」とのテーマで基調講演をしていただきました。
内容としては、オムロンのイノベーション創出羅針盤である「SINIC理論」から始まって、『IT人財育成プログラム』のスキル定義⇒レベル定義⇒教育体系⇒認定方法⇒運用プロセス⇒運営方法・体制⇒資格との連動という一貫性のある体系だったプログラムを説明いただきました。その結果としてのスキルマップの年度別変化、レベル認定者の成果を提示いただき、確実に成果が出ていることが理解出来ました。
次に『DX研修』についてはDXの定義⇒研修のスコープ⇒ニーズへの対応①~②⇒全体像⇒ロードマップと説明いただきました。これについても現在の進捗の提示があり、確実に結果が出ていることが理解出来ました。
また、オムロンはグローバル企業ですので、日本エリアにおける課題⇒日本研修の内容⇒日本研修の全体像の説明があり、国内における取り組みの詳細が理解出来ました。
特に印象的だったのが、経営層向け研修を網羅的、精緻に計画し、実行されていることでした。従業員に対して研修を行っている企業は多いですが、経営層に対してここまで研修を体系化されている企業は他には見当たらないのではと思われます。こちらも結果としては非常に高い満足度となり、更なる拡大が見込まれています。
資料をお見せできないのは残念ではありますが、成果・結果を伴ったエビデンスがある、非常に内容の濃い基調講演でした。
グループディスカッション
オムロンの河村様の講演で多くの示唆を得た参加者がユーザー企業、サポート会員混合で4班に分かれてグループディスカッションをしていただきました。
今回の班組みに関しては、A班(経営層)、B班(部長層)、C班(課長層)、D班(現場リーダー)と階層別に班編制をして、明日からの業務に役立てられるようなディスカッションが出来るよう工夫しました。
その甲斐があって、終了後アンケートの満足度は非常に高く、自由コメントでも「共通課題を認識できた」「他社様の悩みポイントとどう克服したか、それも参考になりました」「新しいアイデア(課題)、気づきが多くあった」「DX部門の皆様のリアルな課題、要望を知ることができ学びになりました」との記載がありました。特に現場リーダーの方からは「もっとディスカッション時間があれば深い議論が出来た」との声もありました。
次回以降のワークショップに向けて
全体的には参加者の皆さまにとって有意義なワークショップではありましたが、実施後アンケートからは、「DX関連投資計画の内容及び投資額」「役員向け等、特定の役職限定の会があっても良いかもしれない」「進捗を共有していく場があると良いなと思います」「DXを推進する体制、運営方法を知りたいです」「DX・PoC疲れの傾向があるためDX成功効果発動例があれば嬉しいです」との要望が記載されておりましたので、次回ワークショップに向けて参考にさせていただきます。
ワークショップ終了後の懇親会ではお酒を飲みながら、更にホンネの会話と情報交換がそれぞれのテーブルで交わされ、有意義な時を過ごされたと思います。
今回のワークショップに参加された皆さまに改めて御礼申し上げます。
次回は大阪で開催する予定ですので、その際もよろしくお願いいたします。