CIO LoungeMAGAZINE_2022autumn
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SCMとは『原材料調達から顧客への提供に至るまでの製品供給に関わる全ての活動において〈顧客満足の最大化〉と〈コストの最小化〉を目的として、企業内及び企業間にわたる全プロセスを〈全体最適〉の観点から再構築すること』と定義されています。ここで難しいのは〈全体最適〉という観点で、如何に「価値観を共有する」ことだと考えています。言い換えれば、何を第一義として、SCMをデザインしていくのか、幹部全員の共通理解が必要です。●売上増なら、売り損じをなくし、お客様の要望をできる限り受けるデザイン●利益率向上なら、徹底的に付加価値が高く、営業利益率の高い商品やビジネスを優先したデザイン●キャッシュフローの良化なら、無駄な部材、工程在庫、商品在庫をなくし、支払いは遅めて回収は早くするデザインというように、それぞれの狙いに応じたSCMを構築しないといけないはずです。SCMは経営そのものです。このような課題認識の下、CIO Loungeの理事のみなさんの強い思いを具現化するためにこの分科会が発足しました。【狙い】経営データのインテリジェンス向上を目指して、「需給管理の最適化」を中心に、販売増、利益増、CF良化等を達成する「現実解」を議論し、ノウハウとしてとりまとめる【検討のポイント】経営トップのニーズを如何に分析し、どんな経営情報システムをつくるかどんなデータを、どう集めて、どう分析するか売上拡大、利益拡大、キャッシュフロー改善のどこに焦点を当てるか如何に組織化して関係部署の連携を高めるかビジネスモデル別に検討(受注生産、見込み生産、季節変動性など)この分科会においては、メンバーの衆知を結集して、現場で本当に役に立つ現実解を求めていきます。コンシューマー商品、B2Bビジネス、製薬、衣料、住宅、化学等の幅広い業界で活動頂いているメンバーのもとで、検討会を実施し、まず「適正在庫」、「KPIの考え方」、「販売見込精度向上」等のSCM基本要件を議論すると共に、重視する経営方針に応じたSCMのパターン化の叩き台を作成しました。今後、この叩き台をブラッシュアップすると共に、業種業界、業態、商材の違いをどう考慮していくのかについても検討していきます。最終的には、こういう重点施策に対しては、どういう事に気をつけなくてはいけない、どういう事をやった方が良い、といった提示まで踏み込んでいきたいと考えています。Subcommittee経営の狙いに応じたSCMを構築するためにこの分科会を発足現場で本当に役にたつ「現実解」を提供することを目指して活動中最終的なアウトプットはノウハウの纏めと、事業環境に即したSCMのパターン化SCM分科会製造業におけるSCMをパターン化し、「需給管理の最適化」のための現実解を追求します販売製造・開発調達・物流売上高営業利益売上原価ラインナップの拡充開発力強化輸送LT短縮間口拡大生産計画遵守物流拠点の確保短納期化・即納率向上商品の絞り込みコストダウンの物流コスト削減徹底間口の絞り込み生産性向上物流拠点集約販売見込精度向上標準化の推進調達LT短縮完成品在庫削減生産LT短縮物流コスト削減仕掛在庫削減材料在庫削減棚卸資産売上債権仕入販売見適正在生産調達物流債務込精度庫日数LTLTコスト重要重要重要重要重要優先経営課題売上増利益増キャッシュフロー良化重点施策経営指標最重要最重要最重要KPI管理ポイント現場指標最重要最重要最重要最重要最重要最重要要注意寛容的最重要重要SCM推進の経営効果は? 相反することに優先順位をつけることが重要!(出典:CIO Lounge作成)売上げか、利益か、キャッシュフローか?経営の狙いに応じたパターン化の一例 (出典:CIO Lounge作成)■■■■■上段 左から河村・提箸・尾内下段 左から石野・本田(リーダー)・藤城12Thoughts on the bridge to pass on to the future.

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