CIO LoungeMAGAZINE_2023autumn
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2023年度の活動としましては、分科会を5回開催しました。分科会のアウトプットが、CIOLoungeの今後の活動において有効に活用されるよう、活動のねらいについて議論を重ねています。国内企業においてはDXと言っても、第一歩として行うべき業種・業態に依存しない共通的業務のデジタル化がまだまだ不十分であろう、という点が議論の出発点です。大規模企業においては、業務デジタル化は順次進んでいるとは思いますが、同一業務に対して事業部門ごとに利用サービス・ツールが異なるという現状もあります。中規模企業においては、取り組み始めた、これから取り組むという状況だと思います。このような現状において、中規模企業が今後事業効率を高めていく、さらには、発展させていくために、業務のデジタル化をどう進めていけばよいのか、どのような事項に留意する必要があるのか、意思決定のために参考となるアウトプットを出そうと今後検討していきます。まずは、先行している大規模企業における、背景、経緯、現状を整理するところから始める予定です。分科会の目的を以下の2点としました。IT部門と経営トップ、現場それぞれの育成方針と責任を明確にします。②ビジネスイノベーション(攻めのDX)とプロセスイノベーション(守りのDX)を推進するにあたって人財育成の方針や方策を明確にする。今期のゴールは具体的な提言までは纏めず、分科会活動とワークショップを通じて議論を進め、情報の共有と気づきを得ることとします。一言で言えば、DXは従来から取り組んできた業務プロセスの変革だけで無く、ビジネスモデルを強化・変革することで、企業を永続的に成長させることに尽きます。それをもう少し具体的な目標に落とし込むとしたら以下の①売上・利益の拡大、②新製品・サービスの継続的な提供、③お客様満足度・カスタマーエクスペリエンスの向上の3点となります。また、DXはあくまでもビジネスにイノベーションを起こすための一つの手段に過ぎないので、自社のビジネスを熟知したうえでデジタルも詳しい人財の育成が重要であることも追記しておきたいと思います。有名な名言に「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」というものがあります。DXに関してもやってはいけない組織・人財育成のあり方・方法があるのではとの仮説で議論を実施しました。失敗する組織は以下の特徴があります。①経営トップの関与不足、②課題が不明確なままの取り組み、③全社的な連携不足。また失敗する人財育成の特徴は以下の通りです。①やる気の無い人も対象になってしまうような全社員に対する育成計画、②ビジネス・業務から離れた単なるお勉強に終始する取り組み、③育成に対するサポートやコミュニティが不十分。一方、成功する組織の特徴は、①課題が明確であること、②ビジネスを理解した人財が関与した組織であること。(但し専任である必要は無い)また成功する人財育成は、SubcommitteeSubcommitteeデジタル化の推進についてまずは大規模企業の現状を整理する【分科会の目的とゴール】【企業がDXで目指すもの】【失敗する組織・人財、成功する組織・人財】非基幹DX分科会(現場DX)業種・業態に依存しない共通業務のデジタル化を考える非基幹DX分科会(人財DX)人財育成の方針・責任を明確にし、失敗要件・成功要件を考える現場主体DX推進分科会の概要(出典:CIO Lounge作成)①10Thoughts on the bridge to pass on to the future.

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