CIO LoungeMAGAZINE_2023winter
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うことで、島耕作のファンでしたのですぐに買いました。島耕作ラベルで販売するという発想、普通であれば捨てざるを得ない商品かもしれないものを、あの発想はどういうところから思い浮かんだのですか?桜井会長 それは、なんでといわれても一言でいうのは難しいですね。この酒は廃棄処分にすれば、それなりの廃棄費用もかかるし困ったなぁと考えあぐねていました。そうこうしているうちに、なんとかかんとか立て直して、売れる酒にはなりそうだという状況まで漕ぎ着けることができました。そんな最中、弘兼先生から最初、「酒、買ってやろうか、泥水に浸かって売れない酒があるだろう」とお話があったのです。弘兼先生からは「何千本でも買うぞ」と、声をかけていただきました。何しろ先生は、お金持ちですからね。だけど「何千本ではなしに、50何万本もあります、これはいくら何でも、先生、ちょっと無理でしょう」ということになりましたが、「それでは」ということであの島耕作ラベルのアイデアが出てきたわけです。めに県にお渡しされたと伺ったのですが・・・。桜井会長 そうですね、あれは4号瓶に詰めまして、その時点で通常販売価格は3000円ですけど、それを1000円に落としちゃえと。うちにしても普通のクオリティ・品質の自信はなかったので、1000円に値下げしました。その時、お客さまにもう200円出していただいて1200円にして、200円を復興の義援金としてご協力いただきました。結局2900万円ずつ愛媛県・岡山県・広島県・山口県の4県にお渡しすることができました。ない製造に関する逆境をプラスにされて、更に山口県から海外進出という難しい売上拡大についてマイナスからプラスにされて、豪雨で受けた被害のマイナスをプラスにされて、マイナスの状況をどんどんどんどんプラスに持っていか矢島 私も松下電器出身、弘兼さんも松下電器出身とい矢島 島耕作ラベルで売れたお金は、旭酒造から復興のた矢島 今回、桜井会長の人生を辿ってみますと、杜氏がいれています。私は、マイナスからプラスに持って行かれるこの発想を本当に尊敬する次第です。そこに更にもう一つあるのですが、金儲けをするというだけでは、たぶん周りはついてこないのではないでしょうか。そうやって得たものを社会に還元しようとされる取組みですとか、日本センチュリー管弦楽団の話も正にそうだと思いますが、このような社会への還元についても経営者にとって重要なことだと思います。これは、5年先10年先の日本を支える経営者が正に学ばないといけないことで、目先の売上・利益だけ追求し拡大路線だけでは不十分で、これでは日本だけではなく世界の経済が右肩上がりに上がっていきません。現在は、SDGsといった言葉が先行しているきらいがありますが、こういうところまで先に先に動かれているというのが、桜井会長の人生・経営を拝見してきて非常に感じたことです。そのあたりは、ご自身でみてどこでこういう考えを養われたか、ご自身の本質的な発想なのか、何かがキッカケで動かれているのか知りたいです。桜井会長 経営者って、何かにすがらないと生きていけないでしょう。何か支えになる考え方や信念みたいなものですが・・・。それは、私にとっては、企業は社会のために貢献しなければならないという考え方です。即ち、旭酒造という矢島 そうだと思います。私も松下幸之助にあこがれて松矢島 いろんな経営者の方の中で桜井会長が本当に実践さ酒蔵は、存在することによって社会に何かいいことがなければ生き残っていけないという信念です。何かあるたびに、経営者はいろんなことで叩かれますよね。ついこの間まで、元総理ですけど安倍さんと言えば獺祭、安倍さんがきらいだから獺祭も嫌いみたいな、そんな騒音がSNS上で流れていました。こうした石がどんどん飛んでくるじゃないですか。経営者は、そんな時でも何かにすがらなくてはいけない、その時に自分は社会のためにやっているのだという確固たる信念が必要なのです。下電器に入ったのですが、幸之助さんの話を勉強してくると今SDGsがどうだとか言われていることは、実は50年前に幸之助さんがずっと言ってきたことだと思いました。桜井会長 そうですよね、幸之助さんは、既に言ってらっしゃいましたよね。れている代表的な方だなということを非常に感じています。ご出席の方の中には経営者の方もたくさんいらしており経営に参考になるお話をいただいて有難いのですが、今日はIT業界の方が多数いらっしゃいますので、ITに関するお話もさせて頂こうと思います。3月にお会いした時にすばらしいなと思ったことについてこれから伺っていきたいと思います。その桜井会長の一言というのは、データを取りながら、酒造りの工程では人手も必要ですし人間の感覚も絶対要るなかで、更にデータを細部まで取れば取るほど、人が大勢必要だということをおっしゃたんですね。あの言葉に私は非常に感動しました。この、「データを取ればと取るほど人が大勢必要になる」ということがなぜなのか、詳しくお話いただきたいと思います。桜井会長 ありがとうございます。ちょっと横道にそれますが、私はよくいろんなところで、当社の日本一は二つあるとお話しています。6Hiroshi Sakurai Takao Yajima

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