CIO LoungeMAGAZINE_2025autumn
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iilSmart Technooges(以下、iSTC)株式会社を設立し、日機械にIoT」という取り組みに感銘を受けました。〝DXはDではなくXだ〟との理念のもと、自社の成功体験を講演等で広く展開されています。さらに々〝カイゼン〟を続けられている木村社長の経営は、CIOLoungeの原点である〝ITを通じた中小企業経営支援〟に大いに参考になると思います。企業が抱える多くの「問題」は目に見えないことが多いのですが、ITを使って〝見える化〟するのは数値だけではだめで、「問題」そのものを〝見える化〟することが必要です。一般的にITを導入しても、実際に使うことを考えていないことが多いと思います。基本は、カイゼンのためのノウハウを見いだし、具体的に実践していくことです。当社では、2つのDXを実践してきました。1つは、IoTシステムを自社開発し、活用するために組織を徹底的に変革しました。その結果、労務費で年間約4億円削減、電力消費量では2013年比約26%の削減が達成できました。2つめは、ⅰSTC株式会社の設立です。よく「モノ売り」から「コト売り」といいますが、当社では、これまでの自動車部品製造から軸足を移し、新たな展開を図ってきました。私はこの取り組みを「データドリブン経営」と「儲かるカーボンニュートラル」と言っています。私は元々トヨタ自動車のエンジニアでしたが、約10年前に当社に来ました。当時と比べて企業価値は十数倍になっていると思います。次に具体的な取り組みですが、ポイントは2つです。まず企業のIT/DXについては、DXが進まない原因は、IT人材の不足ではなく、経営者自身に変える気がないことだと思います。経営者がアンテナを高く張って、必死で考え、率先して進めていくことです。2つめは、〝カイゼン〟です。現場を楽にするのがカイゼンですが、ポイントは、「こうすると楽になる」と具体的に考えることです。大がかりな設備ではなく、製造ラインに後付けで磁石や光センサーを付けて、無線で飛ばし、クラウドで整理したデータをスマホやPCでグラフ化します。そのデータも経営者にとって重要かつ利用価値が高いものを選ぶという発想です。ちなみにカーボンニュートラルについては、数値だけ見てもだめで、問題自体を見ることが特に重要です。CO²排出量に関する問題は非常に多く、実はに力を入れていることは、従業員のモチベーションアップと経営方針の徹底です。会社の業績があがれば、連動して賞与等で還元します。その結果、近隣と比べても賃金水準は一番高いと自負しています。またチャットツールに「こういうカイゼンをしました」と投稿があれば、私は必ず「いいね」を入れ、真剣にコメントします。そうすると社長見に来てくださいとなり、そのときには必ず肯定的に「これ面白いね。僕は好きだな」とコメントします。さらに一緒に写真を撮ってスラックにあげます。こうした地道な取り組みを継続していると、モチベーションアップのみならず方針の徹底にもつながります。またこれまでのカイゼン事例はChatGPTに読み込ませ、常に閲覧可能としています。ひとつの「カイゼン」が拡がり、仕事自体もさらに早くなっていくのです。山下元社長の著書である『デジタル時代の経営戦略』通じる内容であることに感動しました。対談では山下さんのご経験を中心にわが国のIT戦略の現状や課題について伺いました。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われてからすでに四半世紀が経過しますが、これからのIT戦略の方向性やSE育成等についても貴重なお話を伺うことができました。大学時代の専門は社会工学という分野で、都市計画的なことをやろうと考えていましたので、当初、電電公社に入るつもりはありませんでした。当時、お世話になった林雄二郎先生から、「これからは情報化社会でネットワークやコンピューターなどを使って社会課題を解決していく時代だ」と言われ、先生の紹介で電電公社に入りました。NTTデータが誕生したのは、電電公社民営化3年後の1988年ですが、分社の経緯が経営の観点ではなく、回線開放に伴う民間企業との公正競争確保の観点で、当時大きな問題であった日米貿易摩擦解消を目的とした政治的な圧力を原動力としたものでした。そのためNTTの仕事はもっていけない、支援もなしということでスタートしました。さらに転籍で戻るところもない状況で、20年間一度も黒字になっていない部門でしたが、分社したとたんに黒字化したときには本当に驚きました。社長になってまず目指したのはグローバル化でした。当初はグローバルで15は10年前の出版にも関わらず、現在の課題にそのまま 旭鉄工木村社長が語る第6号株式会社NTTデータテーマ『社会システムを支える「コンピューターユーティリティー」構築が使命』NTTデータの創成期からグローバル化日本のIT産業が抱える課題、そして高度IT人材育成の重要性矢島理事長NTTデータ山下元社長が語る山下徹元社長70%位が無駄なCO²です。最後になりますが、私が特特集Ⅱ11

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