昨年に引き続き、食酢最大手のミツカン様よりご相談をいただきました。今回は、CRM領域における顧客接点の高度化に関するテーマです。デジタル化の進展に伴い、企業はCRMやチャットボットなどを活用しながら、効率的かつ質の高い顧客対応を実現することが求められています。ミツカン様も「お客様相談センター」を運営する中で、他社動向やAI活用の最新事例を知りたいとのご要望をお持ちでした。【ミツカン様の現状】ミツカン様では、これまでにCRM、CTI、FAQ、チャットボットなど複数のシステムを導入し、顧客対応の効率化を進めてきましたが、以下のような課題を抱えておられました。●AIエージェント技術は未導入●お客様相談センターの高齢化が進み、専門性維持の代替手段が急務●CRM・CTI統合を進める一方で、FAQやチャットボットの利用拡大に伴うコスト増が顕在化こうした背景から、ミツカン様は他社の取り組みを参考にしつつ、今後の方向性を模索しておられました。【ご相談内容】ミツカン様の相談内容は、主に以下の3点となります。●他社のCRM(消費者コンタクト)運用事例や導入システムの状況●AIエージェントの導入実態や採用ツールの傾向●FAQ・チャットボットの動向【第1回相談会(正会員メンバーからの助言)】正会員企業2社のシステム構成や運用状況を共有したうえで意見交換を行いました。質疑応答では以下のようなポイントが挙げられました。●AI技術の進化は早く、ベンダー選定は慎重に行うべき●FAQやチャットボットのシステム変更は成功が保証されないため、十分な検討が必要●CRM領域は変化スピードが速いため、導入判断は焦らず長期的な視点で●海外ツールは国内ほど精度を重視していないため比較時に注意●AIは単なるパッケージ購入ではなく、自社に合わせたカスタマイズも重要【第2回相談会(日本IBM様による最新動向日本IBM様から、生成AIチャットボットやAIエージェントの現状について非常に分かりやすく解説いただきました。議論では以下の点が強調されました。●段階的導入は有効●コールセンター単体でも経営効果が期待できる場合は導入可能●デモの精度は投入データ量に依存●企業戦略に応じ、個別特化型から統合型まで柔軟に進められる●活用が進む領域は、営業(BtoB)、マーケティング、カスタマーサービス、経理・財務●中堅・中小企業は安価なAIパッケージ製品が提供されるまで待つ方がよいケースもある●RPA資産とAIエージェントの組み合わせ事例は豊富に存在する【ミツカン様の所感】相談を通じてミツカン様から、以下のコメントをいただきました。「今回ご相談しましたCRM領域については、これまでまとまった情報が少なく、納得のいく環境認識が出来ておりませんでしたが、CIOLounge様の知見、各社様におけるリアルな情報、生成AIといった将来の技術動向など、広範囲に大所高所から細かい技術動向まで伺うことができました。大変感謝しております。早速、社内の取り組みについて参考にさせていただき、案件を具体的に進めることが出来ました。今後も各種ご相談させていただきたく、何卒よろしくお願い申し上げます。』今回のミツカン様のご相談事例は、同じように顧客接点のDXに取り組む企業にとって、多くの示唆を与えてくれるものです。引き続きAI活用分科会とも連携を取りながら、ミツカン様とともに生成AI、AIエージェントの活用について検討して参ります。紹介)】 相談事例の紹介CIOLoungeではユーザー企業様のIT・DXに関するご相談を幅広く承っています(ミツカン様)株式会社Mizkan様Case study株式会社Mizkan創 業 1804年(文化元年)資本金 3億3,000万円本 社 〒474-8585 愛知県半田市中村町2−6従業員数 1499名(2025年4月現在)主な国内事業家庭用/業務用調味料、加工食品納豆の企画開発・製造・販売各種報告25
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