変わる営業のスタイルと変わらぬ営業の醍醐味あとはその良好な関係を作りながらも、無用な手戻りが起こらないようにする。そういうことをきっちり言わないといけない。矢島結果不幸になるのは両方です。いかに相手にそうかと思わせるためにも、上との関係を持っていないと、担当者だけではできない。そういうふうに、うまく回す方法、もしくは失敗した事例とかありますか?木下氏 29歳の時に東京に戻ってきて担当したのがセブンイレブンさんです。社是がいわゆる「基本の徹底と変化への対応」です。皆さんよくご存知の鈴木敏文社長が「小売業は朝令暮改なんだ」、「朝令暮改企業だ」というわけです。つまり、顧客ニーズはどんどん変化するから変化していかなくてはいけない。競争相手はライバルではなくて、変化する顧客ニーズだと、そのくらい変化に対して敏感です。システムづくりでも、平気で仕様変更して変わる。そういう中で、お互い納期があって、ゴールを共有しながら、その仕様変更をどこまで認めるか、ルールをはじめに作って契約書にして、最後はそこに戻る。お互いに役割分担があるから、はじめにしっかりと言い、このスケジュールを守るためにはここまでに何をしないといけないかを共有する。運命共同体で一緒にゴールを目指しましょうと、どこまでお互い腹落ちできて信頼関係を結べるか、そういう関係があるからこそ、そういう大プロジェクトもスタートすると思います。PMOが横から見て、当然今の進捗状態などをしっかり分析して、早め早めに問題を見える化して潰していく。営業が言うとまずいから、プロジェクトマネージャー、PMOを入れながら進めたという感じです。デジタル技術、IT技術がいろいろ変わってきた中で、営矢島 業として変わってきていることはありますか。締めの言葉をいただければと思います。木下氏 みたいな価格訴求というよりも、価値訴求というか、今風に言えばコンサル的な営業みたいなやり方になってくるでしょう。お客様がこのシステムを入れることによって、どういうふうな価値を生むかを、お金換算するとこのぐらいの価値になるとこ 7営業のスタイルとしては変わってきました。僕らの時ちらから仮説を立てて提案していく。間違いなく提案コンサルティング的な仕事の仕方にしていかないと、そういう営業の人を求めている。もちろん人間味ある、その底辺にある信頼関係とか、人間力としてのものが基本にあるけど、営業のあり方というのは、お互い時間がない中で、どうやって価値訴求していくかというふうに変わってきたのでしょう。下野氏 今、木下さんが言われましたが、さきほど私が言った分母と分子でいうと、分子は価格ですね、分母の方に何になるかというのは、その営業の力によって、いかようにも価値を訴求できるというものがある。RFPはベンダーの力を引き出すもので、いかにビジネスバリューに転換するか。そこに力を出せば分母がでかくなるから、分子もでかくなって商売をいただける、そういうところに営業の視点を変えていくのが一番大事だという気がします。森沢氏これからIT活用は本当に当たり前になってきています。お客様にとって、それを活用することでどれだけのメリットがあるのか、どれだけ企業変革ができるのかを具体的に説明できるかが、これからのやり方だと思っています。特にシステムだと経営課題の解決という意味では、経木下氏 営層も興味がある。経営層に会って、この会社の強み、社長の経営哲学、経営そのものに触れることによって、自分の仕事の仕方、ひいては経営につながるヒントがある。だから、ぜひ遠慮せず経営のトップと話す機会を増やしていただきたい。しっかり話す機会を持つことは、自分も相当勉強して会話を続けないといけない。相手の社長、トップと会って、直で色々な話ができるということが営業の醍醐味であり、大切じゃないかなと思っています。私もずっと思っているのは、やはりその信頼関係を持つ、信矢島 頼関係を持とうと思えば、やっぱり相手を知る、また自分も知ってもらう。こういう形を作り上げていくのが大事です。信頼関係を作って、お互いに理解し合おうというところが、今日3名の方にお話いただいたところだと思います。「共存共栄」という松下幸之助翁の言葉があります。お互い成長したら、業界の中でも最高のものになるし、最高のベンダーにもなれる。それをお互い切磋琢磨しようというのが、幸之助さんが言っている「共存共栄」です。お互いで頑張ろうよ、お互いに考えようということを理解していただきたい。本日は本当にありがとうございました。Special Dialogue
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