2025年2月5日、 第2回ワークショップを開催しました。比較的安価で導入できるローコードやノーコード、RPAの充実に伴って現場でのシステム開発が広まりつつあります。現場開発環境が整いつつある中、「どのようにして現場にやる気を持ってもらうか」「どのようにして続けてもらうか」さらに「どのようにして広めるか」を今回のワークショップのテーマとしました。①取り組み事例紹介グループディスカッションに先立ち、取り組み事例として、フジテック株式会社ルイノベーション本部山本様、佐竹様より、「RPAの導入」「生成AIの活用」「社内ポータルコンテンツの作成」「ペーパーレス」など様々な分野の現場主体開発の取り組みをご紹介いただきました。なかでもRPAを活用し現場従業員自らが手作業で行っていた業務を自動化し、二万六千百七十時間/年という大きな削減効果を生み出した事例は参加者から驚きの声が上がりました。現場主体開発を推し進めるために、システム部門が簡単・便利に現場で利用してもらえるツールを自ら選定し、現場部門を対象とした「社内コミュニティ」の立ち上げや「新テクノロジーの学びの場」を開催することで開発を現場に浸透させておられました。さらに現場に何度も足を運んで現場メンバーの開発が挫折しないようにアナログでのサポートを頻繁に実施されていました。事例紹介の最後にフジテック株式会社専務執行役員CIO友岡様より、「請負型の情報システム部では経営が良くなることがない。フジテックは提案型の情報システム部に舵を切った。提案型になるためには、現場の本当の課題デジタを見逃さないように、実際に現場に出向いて現場の中で業務を見るようにしなければならない。会議室で出てくる課題は本当の課題ではない。ましてや、ITベンダーやコンサルに依頼することでもない。必ず【Why:企業の存在価値は何か?】【Who:顧客はだれか?】を先に考えて課題抽出や対策に当たるべき。」と締めくくられました。特に現場部門に足を運び生の声を聴き自分の眼で見て真の課題を拾い実感していく姿勢が提案型情報システム部門に変革していくために最重要だということを改めて認識する良い機会となりました。②グループディスカッションその後、ユーザ企業様を4つのグループに分け、サポート企業様とファシリテーターを加えた計6〜7名の編成で90分間のグループディスカッションを行い、熱心に議論をいただきました。ディスカッションのテーマは、「現場をやる気にさせる策」「そのやる気を広める策」とし、「各社の現状と目指すべき姿」について情報交換が行われました。❶現場をやる気にする策実際に現場開発が進んでいる企業とこれから進めようとしている企業では全く正反対の意見が出ていました。開発が進んでいる企業は「教育の実施」「現場と情報システム部の人材交換」「小さくても結果を出してやる気を起こす」など推進策が多く出ていたのに対し、これから進めようとしている企業は「通常業務以外(システム開発など)を現場で行うことが許されない雰囲気」「人とお金が無い」など、進まない理由を述べるのに留まっていることが多かったです。❷やる気を広める策「やる気を広める策」については「現場開発に功績があったメンバーを表彰する」「成功事例とその成果を共有し波及効果を狙う」「勉強会の開催やコミュニティの立ち上げ」など各グループとも概ね意見は一致していました。ただ意見とは裏腹に今のところ企業内に確たる評価体系や対応策が無い企業が多いようで、特に中規模企業においてはそれが顕著に表れているようです。現場開発ツールの充実は、大企業の恩恵となっているが、中小では資金不足と人材不足の両面で現場開発に着手できない企業が多いようです。今後のワークショップは今回のアンケートでいただいたご要望やご意見を反映した形で開催をする予定です。特に「具体的な事例を基に意見交換をしたい」「多くの事例を紹介してほしい」とのご意見が多くありましたので、今後はCIOLoungeからの事例紹介だけでなく、参加企業様の事例を紹介いただけるように検討を進めていきたいと考えています。【第2回ワークショップの開催内容】【今後のワークショップ開催に向けて】Subcommittee現場主体DX推進分科会第2回ワークショップを開催 佐竹様大変満足満足大変満足満足山本様<主なご意見>・各社同じ課題があると認識・参考になった。 有意義。 良かった・解決策の議論が不足・現場の課題を引き出す質問力が 大切だと分かった・企業規模によって現場の主体力の格差の 違いを感じた<主なご意見>・有意義で参考になる意見が聞けて良かった。・イワシの話がとても分かりやすく共感した。・属人化ではなく組織対応されている・現場への浸透させる取り組みがすごい・現場に溶ける、という重要性を 実感できました。・現場での成果を評価することの 重要性を感じた。事例紹介についてご満足いただけましたでしょうかグループディスカッションについてご満足いただけましたでしょうか分科会報告17
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