今年はメジャーリーグ(MLB)のドジャース対カブスの開幕戦が日本で行われ、両チームの先発投手がいずれも日本人(山本投手、今永投手)でした。さらに最初のバッターが大谷翔平選手という、これまで想像もつかなかったことが起こりました。まさに日本人として誇らしい気持ちでMLBを観戦することができました。さらにサッカーでも、開催国以外のチームで、世界で初めてワールドカップ出場を決めた日本代表は本当に素晴らしい活躍をみせてくれました。他にもさまざまなスポーツで日本が世界でトップクラスの成績を上げてきております。しかし、一方で日本の経済、そしてそれを支える企業を見ると、「JapanasNo1」と言われた40年以上前の姿はすでになく、日本が誇る技術力/開発力/製造力、そして提供する商品やサービスがどんどん失われている様に感じているのは私だけでしょうか? 先日、経済産業省の方と「デジタル赤字」について議論いたしました。その際、私がお話ししたことは、デジタル赤字そのものが問題ではなく、ITやデジタルを活用しているすべての産業や商品の強化を如何に行うかが日本産業のこれからの大きな課題ではないかと述べさせていただきました。 ・ 2 マイクロソフトやグーグル、アマゾン、そして海外のITやソフト等での貿易比較ではなく、日本は従来、材料や部品を輸入し、加工して製品を世界に送り出してきた国です。つまり部品や材料の輸出入比較をするのではなく、材料に付加価値を付けた商品を提供してきたのが日本企業の強みだということです。そうした状況において「デジタル赤字」以上に懸念されるのは、完成品での立ち位置です。例えば車を制御するソフトウェアの原価が車の中で51%以上のコストになれば、車自体を製造している例えばトヨタ自動車の車体は、完成品の一部の部品と言う位置づけになります。ソフトウェアを作っているアメリカの某企業に自動車という部品を納め、そのソフトウェア企業自らのブランドで車を販売するようになってしまうことこそが日本の最大の懸念事項ではないかとお伝えいたしました。 我々が進めてきたITやデジタルは、従来は経営を支える部品でした。しかしこれからはITやデジタルを進めている皆様が、経営を牽引する気概で企業をリードしていただければ、企業の改革が進むと確信しております。今後とも、皆さまと共にITやデジタルを活用し企業や社会が発展できるよう、今まで以上に貢献していけるよう努めてまいりますので、引き続き皆さまのご支援ならびにご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。理事長矢島孝應皆様こんにちは!CIOLounge理事長の矢島孝應です。
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