CIO Lounge Magazine_2025summer
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経営者に求められるリーダーシップとは?リーダーとして大切な3つの「勇気と自信」の教え!社外取締役としての役割〜人材の流動性と多様性の重要性〜はなかったですし、何だか経済って小難しい数字の世界じゃないの?と思っていて、毎週なんてとんでもないみたいな感じで、ちょっと後ろ向きだったのです。とはいえ、せっかく声をかけていただいたので、やってみて、自分には無理だなと思ったらやめればいいじゃないと思って始めたのです。ところが、第1回から経営者の方の話が面白くて、経済の世界というのは世の中の変化が最も早く現れるダイナミックな世界なんですね。その変化にどう対応していくのか。組織というのは結局、人の集団ですから、人の気持ちをどう捉えてモチベーションを高めて組織を率いていくのかという、非常に人間くさい部分もあり、経済、経営ってこんなに面白いのだと思いました。それから、もっと勉強してみたいと思ったのです。その後、様々な業界の経営者の方の取材をさせていただいたり、企業の取り組みを取材させていただく機会が非常に増えてきて、取材しながら学んできたという感じです。矢島 です。経営者の方はやっぱりアグレッシブですし、ネガティブなことをあまり考えられない。考えておられているのですけど、口には絶対に出されずに、次のステップにアグレッシブに行私も経営者の方とお話していると元気になっていくのこうとされる、あの姿勢を持つことを学ばせていただいています。経営者の方といろいろ話されてきて、本当にこの方できる経営者だな、できない経営者だなと感じるところの差っていうのは何でしょうか。福島氏 確かに、リーダーは組織の人たちを率いていかなければいけませんので、基本はやっぱり「ポジティブ・シンキング」だと思います。明確な方向性を示して、自分たちはこちらに向かっていくんだという、そういう明るい前向きな、ポジティブな人ではないと、リーダーにはなれないと思うし、人がついていかないと思うんですね。だからと言って、楽観的だけではだめで、常にリスクもしっかり捉えていて、このリスクに対してはこういう対応をするという備え、打開策も社員の人たちにきちっと示していくことも大事だと思います。そして結果責任を取るというのがリーダーの役割かなと思います。矢島 リーダーの方が全て理解できるわけではないですし、聞くところは聞くという素直な部分が重要だと思います。私が一番尊敬する松下幸之助の好きな言葉に「素直な心」というのがありまして、「なぜ経営が成功されたのですか」と皆さんが質問をされた時に、「素直な心でしただけです」という、あの言葉が私は大好きなんです。福島氏 昨日、ソニーの元CEOの平井一夫さんとの対談のお仕事が大阪であったのですけど、その平井さんも松下幸之助さんの素直な心と全く通ずることをおっしゃっていて、自分がリーダーとして大切にしていた3つの「勇気と自信」という話をされたのです。1つ目は、分からないことは分からないから教えてと聞く勇気と自信。2つ目は、自分のアイデアよりも部下のアイデアが良かったら部下のアイデアを即採用し、失敗したら自分が責任を取る勇気と自信。3つ目は、間違ったと思ったら素直に間違った、ごめんなさいと謝る勇気と自信ということをおっしゃっていました。まさに「素直な心です」。それって結構、難しいことだと思うのです。やはりトップになりますと強い自分を演じなきゃいけない、弱いところを見せたくないという気持ちになります。常に正しいディシジョンをする人間でありたいという思いが強くなって、間違ったと思ってもなかなか間違ったと言えません。分からないことを素直に分からないから教えてと言えなくなってしまいます。しかしそれができなくなりますと、やはり経営の意思決定、企業が進む方向がおかしくなりますよね。矢島 ビューで取り上げていただいた話なのですが、私は大学でスキー部に所属して、上手くはありませんでしたが、新入部員たちに「止まる自信」を身に付ける練習を徹底的にさせたのです。アイスバーンでの練習や片足を外しての左右バランス練習などを通じて笛の合図で止まるようにしました。この「止まる自信」が恐怖心を克服し、スキーの技術向上に繋がったのです。会社に入ってからもこの経験を生かし、上司や先輩から何か言われても、自分がこうだと思ったら、とことん言いました。ただ、ある時自分が間違っていたとか、先輩、上司が言うことは正しいなと思った時には即時止まれ、頭を下げろと後輩に伝えました。その指導が多くの後輩たちの成長に繋がったと感じています。■多様性を持つ経営が重要矢島 れたのはパナソニックが最初ですか。福島氏 年のパナソニックが最初でした。矢島 任されていますが、受け止められ方はいかがでしたか?積極的に意見を聞き入れてもらえたのでしょうか?福島氏 中村邦夫会長が外部の視点を取り入れるために始められたそうで、皆さん熱心に耳を傾けてくださいました。メディアの現状と課題についてのプレゼンをした際には、会長の意向で関手前味噌の話になりますが、昨年、東京FMでのインタ福島さんが企業の社外取締役やアドバイザーにならアドバイザー的なお仕事をいただいたのは、2006パナソニックでのアドバイザー経験後、社外取締役も歴パナソニックの経営アドバイザリーボードは、当時の6Atsuko Fukushima Takao Yajima

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