第1期は、バスケットボールシューズを皮切りに、日本国内で事業基盤を一から築き上げてきました。その過程で、国内のスポーツブランドとしての地位を徐々に確立していきます。第2期は、製品を海外展開に進めるため、ディストリビューションモデルを始めました。なかでもアメリカ展開のきっかけとなったのが、後に株式会社ナイキ(以下、ナイキ)を共同創業することになるフィル・ナイト氏とのエピソードです。自身の会社であったブルーリボン・スポーツ(後のナイキ)を通じて、当社のシューズの輸入を開始します。この出会いが、ASICSのグローバルな歩みの第一歩となりました。第3期は、グローバルビジネスがさらに拡大します。主に米国、欧州、中国、オーストラリアなどでビジネスを拡大し、2005年には海外売上高比率が50%を越えるなど2015年までは順調に成長出来ました。その後、5年間はナイキの厚底シューズの登場など苦戦し、2018年、2020年と赤字になりました。2021年の新春の大学駅伝ではアシックスのランニングシューズを誰も履かないという屈辱も経験しました。2018年から廣田康人社長(現代表取締役会長)のリーダーシップにより2年で経営改革の土台を作り、2021年以降着実な成長を遂げました。現在、売上の約80%は海外が占めており、ランニング関連が半分を占めます。テニスやアパレルなども含めると、スポーツ分野全体で約70%を構成しています。また、「オニツカタイガー」ブランドが好調で、店舗には多くの来客があり、購入者の約70%がインバウンド需要です。ライフスタイルブランドとしての側面もありますが、スポーツがコアであるという姿勢は変わりません。神戸の研究所ではトップアスリートと共に研究開発を行い、オリンピックや世界陸上向けの製品も手掛けています。トップシューズを作って展開し、目的やレベル別に別けて展開し、他社と比べても豊富なラインナップが強みです。テニスシューズにおいてもクオリティには自信がありまして、各主要大会の男子シングルスではシューズシェアナンバーワンを取れる環境にあります。「オニツカタイガー」はアジア中心の人気から、現在はヨーロッパでも勢いがあり、今後はアメリカ市場への進出も視野に入れています。また、Eコマースの売上比率は2018年度の4%から現在は20%に、D2C比率も40%に達し、大きな成果を上げています。2018年6月に入社され、社長になられたのが2024年1月で売上は倍増し、赤字から一転して利益率は発表では、廣田会長が中期計画について言及され、富永社長が進められていく、中期目標として掲げられている「売上1兆円」ということでしょうか?中期経営計画について来年が中期計画2026の最終年度となりますが、次の中期計画(2027年〜2029年)では1兆円の達成を目指したいと考えております。さらなる成長課題として「グローバル成長」「ブランド価値向上」「オペレーショナルエクセレンス」を挙げられた理由はなぜですか?そうですね、まず1つは、我々の売上の80%がグローバル市場からの売上になっているのですけれども、それだけでグローバル企業だと言えるかというと、まだまだ課題があります。サプライチェーン含めベストプラクティスの展開などやるべきことは多く残っています。サプライチェーンにおいては販売会社が出てきた数量をいかに作るかというオペレーションから、より計画的な生産が求められますので、まずは、グローバル化をしっかり進める必要があります。また、D2C比率40%を活かし、データ分析やパーソナライゼーション、デジタルマーケティング強化を図りブランディングに取り組みます。そうした課題に取り組むために、しっかりと改善を進めていこうという中期経営計画になっています。強力なリーダーシップが改革の起点になる私が顧問や社外取締役として関わる際、まず社長矢島 富永社長 矢島 富永社長 矢島 に「売上を伸ばしたいですか?利益を上げたいですか?キャッシュフローを改善したいですか?」と尋ねます。多くの社長は「すべて」と答えますが、最初に優先順位を明確にすることが重要だとお伝えしています。今、御社の状況を見ますと、ITや業務プロセスの改善、オペレーショナルエクセレンスの取り組みが着実に進んでいることが分かりますし、結果、財務リスクの低減、サプライチェーンの最適化、安定供給、売上の増加、利益の確保が実現できていると思っています。社長に就任された時にはIT・デジタル化の状況はどのような感じでしたか?015年まではビジネスが非常に好調で、さまざまな分野に投資を行っておりました。たとえば、ERPへ投資して、Eコマース、お店もどんどん増やしていったのですが、その結果が全然出なかったのです。社内の雰囲気も疑心暗鬼になっていて、考え方も良いし、使っているツールも良かったのですが、エグゼキューションができていないというような状況でした。て直されたのでしょうか?でした。販売会社は「良いものでなければ売れない」と言い、本社の製造部門は「良いものを作っているのに売れない」のは「マーケティング施策が悪い」などと表現していました。そこで、本社主導でプロダクトカテゴリーごとに責任を持つ体制へと変更し、ランニング、テニス、アパレルなど各カテゴリーが最終的な利益責任を持つことになりました。この方針を実現するには、グローバルなITシステムの整備が不可欠で、「どこで売れていて、どこで利益が出ているか」を正確に把握する必要性について、廣田会長から私に「しっかりやれ」と言われたことが、これらの取り組みの成果につながったのだと思います。EコマースとD2Cの推進富永社長 矢島 富永社長 矢島 実は、あまり良い状況ではありませんでした。2私たちも同じ悩みを抱える中で、どのような点を立トップの強いリーダーシップが成功の大きな要因私自身も「経営・IT・事業が一体でなければ意味が417〜18%にまで目を見張る改善をされました。昨日の決算Mitsuyuki Tominaga Takao Yajima
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